ゴー宣DOJO

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切通理作
2012.3.22 04:01

国体とリベラリズムの出会う場所

発売一週間、出足好調のゴー宣道場選書第一弾『原発はヤバイ、核兵器は安全』(飛鳥新社)。

 
アマゾンのレビューで、私が論議の間に挿入されるコラムとして書かせて頂いた拙文「公論と国体」の中にある「公論とは、国体とリベラリズムの出会う場所でもあるのではないか」という箇所に注目してくれた投稿者がいました。

 

自分自身、ゴー宣道場での学びを通して、ここに気づいて膝を打ったところなので、嬉しいです。

 

国というものはたしかに個人個人が手前勝手に動かせるものではないし、そうあるべきでもない。しかし国民の安全と平和は国家によって保障されているものであり、それをお互い担っているという意識を持たなければ維持することが出来ない。

 

たとえば、危険な場所から避難を要請されているのに「生まれ育った場所だから、ここを動きたくない」ということは、心情としては100%わかる。

 

同時に、そこが危険な場所なら、国は責任を持って避難命令を出すべきだというのも正しい。

 

これは、自分の身の丈の発想と、遠いところにある国家システムからの強制という二項対立だけに落し込める問題でしょうか?

 

実際には、「自分が逃げないと巻き込まれる人がいるかもしれない」ということや「そこが危険な場所であるということを他の国民にも認識として共有してもらわなければならない」という、同じ個人の中にある「公」の意識を、人間は持っている。

 

どこか遠いところにある権力システムからの命令と、誰にも動かされたくない自分と自分の周囲・・・・・・という二項対立ではなく、

 

「日本国民」としての自分もまた、

身の丈目線で回りのことをまず第一にする「日本人」としての自分とともに、

自分の中にある両面として捉えることが公論として重要だと思うのです。

 

先の投稿者は、こう書いています。

「個人と重ね合わせて国を見れば、個人がいるように、国がある、個人が人生を持つように、国が歴史を持つ、というふうに、ダイナミックに考えられると思います。自分という国、または、日本という人格(国柄)と。こういう考えは、非常に面白いと私は感じます」

 

 皇統問題でも、たしかに我々国民一人一人は、天皇陛下になり変わるなどというのは、おそれ多いことです。かつての美智子妃、そして雅子妃バッシングに見られる「自分の方が天皇陛下のことをわかっている!」というような、身の丈を失った「衷心」行為はストーカーと変わるところはないでしょう。

 と同時に、日本の国体そのものである天皇の存続について、陛下ご自身の「大御心」に耳を澄ませ、皇室典範を改正し、断絶を避けようとするのは、国民として「いまここ」と未来の日本をつなげて見通す時に欠かしてはならない視座であると思います。

 

 どうでしょうか?

 それでもやはり「自分が皇統を語るなんてだいそれたことは出来ない。断絶しようと、放っておくのがいい」と思えるでしょうか?

 

 4月8日(日)「第24回 ゴー宣道場」のテーマはまさに
    「女性宮家創設の今一つの危うさ」です。

 道場に来たことのない人、
「ゴー宣道場選書」で興味を持った人、
ぜひ一度来てみてください。

応募要項は以下です。

入場料1000円。

 参加希望の方は 往復はがき に、 『第24回参加希望』 と明記、
 
1. 氏名(同伴者がいる場合はその方の氏名と続柄・関係など)

2. 住所

3. 電話番号
4. 年齢
5.
職業(学生の方は学校名)
6.
募集を知った媒体
7.
応募の理由と道場への期待
返信はがきの宛名には、ご自分の氏名・住所をご記入の上、

152-8799

東京都目黒区目黒本町1-15-16 目黒郵便局・局留め

『ゴー宣道場』代表・小林よしのり、担当・岸端

まで、お送り下さい。

締め切りは、平成24年3/28(水)必着

当選された方にのみ、返信はがきを送付致します。

「女性は特に歓迎します」というのは
小林よしのり代表師範からの伝言です。

もちろん、男性もご遠慮なく!

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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